2019/10/21 11:58(noteより)
違和感と心地よさが一体となった、自分だけの現実。
そこは寒くも暑くもない無音無味無臭、けれど何かの気配が漂う場所。
感覚が制限されているはずなのに心地よさを感じる場所。
その感覚で思い出すのは小さい頃に作ったかまくらで、頭だけしか入らない小さなかまくらだけど、寝っ転がって頭を入れて遊んでいた。かまくらの中は外の音が聞こえないシーンと静かなんだ。
あと小学生のときのプール。仰向けで水に浮かんで息を少しずつ吐くと体は沈んで底に着く。見上げた水面はキラキラと輝いていて、それがとても美しかった。
自分の中にある感覚を外に、他人に見える形に具現化したいという思いが制作に向かうんだ。
完成した作品たちは誰かに見てほしいし、紙に描いた空間を体感してもらいたいと思うのだけど、制作すること自体はすごくパーソナルなもので誰にも干渉されたくない。
作品を通して何かを伝えたいわけではないし、私が心地いい空間、目触りがよい画面、それを作品として具現化しているだけだから共感して欲しいわけじゃないんだよなぁ。
感じ方は人それぞれだし。だけど、もし作品を気に入ってもらえたならばそれはとてもとても嬉しい。
作品を目の前にして、開かれた窓からその空間を楽しんでもらえたら…そう願っている。